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小浜栽培漁業センター 山本 岳男 | ||||||||
ズワイガニ種苗生産の技術開発の成果ついては,これまでトピックスNo.50,No.72,No.109で報告してきました。これらの成果の積み重ねによって平成20年に始めて1万尾を超える稚ガニの量産に成功(プレスリリース:平成20年6月27日)し,多くのマスコミに「世界初!」として取り上げられました。 本年度は,これらの技術をより確実なものにするために試験を行ってきましたが,その結果,昨年度を大幅に上回る成果が得られました。 メガロパの飼育は,平成19年まではゾエアの飼育に適した水温14℃で行っていましたが,昨年度の基礎試験により水温は10℃以下が適していることが判りました。本年度は,この成果を量産規模で実証するため飼育装置(写真1)を作製し,メガロパの飼育を全て水温10℃で行ったところ,稚ガニへの脱皮が安定し約3万尾の稚ガニを得ることができました。これは,昨年度の生産尾数1.8万尾を大きく上回り,世界記録の更新となりました。 |
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![]() 冷却器で受水槽の海水を10℃以下に冷却し, この冷却海水をポンプ(P)で飼育水槽(1)〜(3)へ送り込みます。 飼育水槽の上部は水温上昇を防ぐために寒冷紗で覆っています。 |
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写真1 メガロパの飼育装置(矢印は海水の流れを示します) | ||||||||
![]() ![]() 写真2 飼育水温を10℃にしたことでメガロパが元気に遊泳し(左),稚ガニがたくさん出来るようになりました(右)。 |
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種苗生産試験を開始した昭和59年から20年以上を要し,ようやく長年の目標であった稚ガニの量産に成功しました。しかも2年続けて成果が得られたことで,飼育技術が確かなものであることが証明できました。しかし,ふ化ゾエアから稚ガニまでの生残率は10%以下ですので,より安定した成果が得られる飼育技術を開発することで稚ガニの量産技術を完成させたいと考えています。 |
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