培養の経過に伴って,培養水の水質が徐々に悪化して起こった培養不調には,不調になる“前兆”が必ずあります。
まず,総卵率が低下し,培養水中の残餌が増え,その後増殖率が低下して,やがてワムシ密度が減少します。最終段階でのワムシを観察すると,ほとんどが成熟個体であり,水質悪化に弱い仔ワムシは認められなくなります1,4)。
このようなワムシ個体群は,植え替えてもワムシの活力が低下しているため,パターンAの培養不調を引き起こす可能性があります。培養不調の前兆を的確に捉え,早めの植え替えや新たな培養水槽の立ち上げなどの対応を行います。
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