独立行政法人 水産総合研究センター 栽培漁業センター
さいばいコラム
No.75 今年も中学生が職場体験学習にやってきました 2010.10.12
宮津栽培漁業センター
2010年9月27〜30日、宮津栽培漁業センターに宮津市立宮津中学校から2年生3名が職場体験学習にやってきました。
職場体験学習は人気が高いらしく、ウワサによれば、
受け入れ定員3名のところ、なんと6名が希望し、結局参加メンバーはジャンケンで決められたのだそうです。

宮津栽培漁業センターが職場体験の受け入れを始めて今年で3年目となります。
最初の受け入れの際には、どのようなことを学んでもらうのがいいのか、
時間の空きのないように仕事を組まなければ…などなど、正直なところ体験メニューを作るのが大変でした。
それはそれで体験したみなさんには好評だったようなのですが、
今回は通常の仕事を体験してもらうことこそが大切であると考え、
特別扱いではなく、栽培漁業センターの1日の仕事をそのまま体験してもらうことにしました。


■1日目
初日ということで、アカアマダイに餌をやったり観察したりといった飼育作業を体験し、
また、わたしたちの仕事を理解してもらうために、参加者のみなさんに宮津栽培漁業センターの仕事の概要をプレゼンテーションしました。
そして、アカアマダイの人工授精に使う精子を職員が保存処理する様子を見学し(トピックス:No.103参照)、
その後、養成しているヒラメの飼育作業を手伝ってもらいました。


■2日目

事前に生徒のみなさんからいただいていた質問状に、
“魚の卵が見たい”とあったため、
アカアマダイの人工授精で得られた卵を顕微鏡で観察しました。
初めて見る魚の卵の小ささに驚いていました。

午後から参加者のみなさんはワムシの培養を手伝い、
さらに培養水槽の中のシオミズツボワムシの密度を推定する研修を受けてもらいました。

  アカアマダイの卵やふ化直後の仔魚を顕微鏡で初めて見ることができました
■3日目
最終日は親ヒラメの水槽の底掃除、
コスチア症(ヒラメの表皮に寄生虫がついて起こる病気)にかかった親ヒラメを
淡水につけて治療する作業、
ヒラメを別の水槽に移した後の汚れた水槽の掃除などを行いました。

その日、前日から観察していたアカアマダイの卵から仔魚がふ化し、
ふ化する瞬間を目の当たりにしたみなさんから歓声が上がっていました。

また、イラストマー標識をつけたアカアマダイの幼魚にLEDライトをあてて、
標識が光る様子にも“おー”との感嘆の声を上げていました。
  薬浴の終わったヒラメを一尾ずつ丁寧に水槽へ戻しています
水槽のこまかな場所まで一心不乱に掃除しています
職場体験学習に参加した3名はみなさん礼儀正しく、熱心に仕事に取り組んでいました。
最後に感想を聞いたところ、「普段見たこともない貴重な体験をすることができ、とても楽しかったです」とのことでした。
宮津栽培漁業センターは、今後も若い世代のみなさんに水産研究や栽培漁業について理解してもらうために、
職場体験学習に協力していきたいと考えています。
来年はどんな生徒さんたちが来るのか楽しみです。

分担執筆:升間 主計・町田 雅春・竹内 宏行・長副 聡
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