さいばいコラム
No.60 いも〜れ! きょら海 奄美へ 〜皆既日食で運試し〜
2009.7.28
奄美栽培漁業センター
樋口健太郎
「あぁ〜くもってるよ〜」
「雨降ってきた〜」
7月22日10時頃、奄美大島にいた人ほぼすべての人のセリフ。
中には、
「だれか扇風機持ってきて雲をふきとばせよ〜」
とか、無茶な注文をする人も。
この日は、みなさんもご存じの通り日本で46年ぶりに観測される皆既日食の日です。
奄美大島では、北部地域でのみ皆既日食が見られるということもあり、
朝早くから島南部から北部への大移動が起こりました。
奄美大島は意外と広く、南部から北部まで車で約2時間。
しかも、南部と北部を結ぶ主要道路はただひとつ、国道58号線しかありません(他にもありますがさらにものすごい時間がかかります)。
この日、島では珍しい大渋滞が起こったのでした。
一方、ここ奄美栽培漁業センターは奄美大島南部に位置するカケロマ島にあり、
皆既日食を観測できる地域からはぎりぎり外れてしまいますが、ほぼ皆既に近い99%日食を観測できる場所です。
しかし、当日の天気は曇り時々雨。
前日までの夏らしい晴れ空はどこへ・・・。
日食当日はあいにくの曇り空(センター管理棟からの眺め)
それでも、雲間から太陽が見えるかも!?というわずかな期待をもってみんなで日食観測スタンバイ!
二階堂主任は沖の生簀でスタンバイ!!(もちろん仕事です、ちょうどマグロの採卵作業の時刻と重なったためなのです)
日食観測を期待する人たち ある人の手には幻(?)の日食メガネが!
全国的に日食メガネが品薄状態だったようですが、ここ奄美も同じく日食メガネが手に入らない状況でした。
パートさんの中には、古仁屋(奄美南部最大の町)で残り最後の日食メガネを買ったという人も。
このセンターの職員・パートさん・学生さん合わせて、日食メガネ所持率は21.7%と、
幻とまではいかなくともかなりレアなアイテムとなっていました。
時刻も10時半をまわるとあたりも次第に薄暗くなってきました。
いつの間にか外灯も点灯しています。
この時間になると雲が薄くなってくれたおかげで時々雲の間から三日月型の太陽を観察することができました。
このくらいの時刻から日食の雰囲気、もしかしたら見られるかもという期待感がでてきて、みんなの興奮も最高潮へ。
現在時間をチェック あたりは薄暗くなってきました
そして、ついに食の最大の時刻「10時56分53秒」に!ダイヤモンドリングは見えるのか!?
!?? 太陽はどこに?
・・・あれっ。
人生とはそんなにうまくいかないものとばかりに、「月」より前を分厚い雲が太陽をすっぽり覆いかくしてしまいました。
世紀の天体ショー、いつ始まっていつ終わったのかもわからないまま閉幕をむかえました。
こころなしか私たちの心にももやもやが・・・。
一方で、奄美北部でも太陽が雲に覆われてしまい、皆既日食を観測することができなかったそうです。
しかし、南部では食の最大の時刻に少し薄暗くなった程度でしたが、
北部ではあたりが夕焼け時刻のようになり幻想的な風景が見られたようです。
日食時の奄美空港(奄美空港にて)
こうして「皆既日食inあまみ」は終了しました。
この日、鹿児島県全体はあいにくの天候で、皆既日食を観測できるトカラ列島も豪雨に見舞われてしまったようです。
観測を楽しみに来られた方は大変残念だったことと思います。
また一方で、小笠原諸島では天候が非常によく皆既日食を観測できたそうです。
しかしながら、この日、運が良かった人も悪かった人も夏のいい思い出になったと思います。
ということで、次回26年後の日本での皆既日食を心待ちにすることにしましょう。
でも、天気ばかりは運に任せるしかないですね。
あっそうそう、うちのマグロくんたちは日食の間・・・特になにも変化なし、産卵もなしでした(二階堂主任談)。
日食には興味なかったんでしょうかね?
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