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「栽培漁業種苗生産,入手・放流実績」は,全国の海産魚介類の種苗生産と種苗放流の実績を調査し,一元的にとりまとめた統計資料です。調査は,水産庁からの委託を受けて昭和52年から(社)日本栽培漁業協会が行ってきましたが,平成15年10月からは独立行政法人水産総合研究センターがその業務を引き継いで実施しています。 このたび,平成14年度栽培漁業種苗生産,入手・放流実績がまとまりましたので,結果をご紹介します。 平成14年度に種苗生産の対象となった種類は84種,種苗放流の対象となった種類は83種でした。ここでは平成14年度の種苗生産または種苗放流が行われた種を魚類,甲殻類,貝類,その他の動物(イカ,タコ,ウニ,ナマコ等)に分類し,区分ごとの特徴について解説します。 |
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(1)魚類 |
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平成14年度に生産された魚類は37種,9,390万尾であり,生産尾数の多い順にヒラメ,マダイ,ハタハタ,クロダイ,ニシン,マコガレイ,トラフグ,クロソイ,カサゴ,イサキとなっており,全国で100万尾以上の生産が行われたのは,これら10種でした。放流は37種,7,576万尾で,ヒラメ,マダイ,ハタハタ,クロダイ,ニシンの上位5種で,魚類全体の放流尾数の8割を占めています(表1)。 |
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(2)甲殻類 |
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平成14年度に生産された甲殻類は15種,33,752万尾でした。生産尾数の多い順にクルマエビ,ガザミ,ヨシエビ,クマエビ,タイワンガザミ,コウライエビ,ノコギリガザミとなります。放流は12種,22,068万尾でした。放流尾数が多いのは,生産と同様にクルマエビ,ガザミ,ヨシエビ,クマエビ,コウライエビ,タイワンガザミ,トヤマエビとなります。生産,放流ともにクルマエビが全体の7割を占めています(表2)。
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(3)貝類 |
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平成14年度に生産された貝類は22種, 32億個でした。生産個数の多い順にホタテガイ,エゾアワビ,ウバガイ,クロアワビ,チョウセンハマグリとなっていますが,そのほとんどがホタテガイで,貝類の生産個数の98%を占めています。放流は26種,131億個と生産個数の4倍の数が放流されていますが,これは種苗生産を行わずに,天然種苗を放流しているケースが多くあるためです。放流個数の多い順にアサリ,ホタテガイ,ヤマトシジミ,エゾアワビ,クロアワビとなっていますが,そのほとんどがアサリとホタテガイです(表3)。
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(4)その他の動物 |
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魚類,甲殻類,貝類以外の水産生物はその他の動物として取り扱いました。
平成14年度におけるその他の動物の生産は,10種,7,145万個であり,生産個数の多い順にエゾバフンウニ,キタムラサキウニ,アカウニ,マナマコとなっています。その他の動物の生産のほとんどはエゾバフンウニ,キタムラサキニを中心としたウニ類です。そのほかに少数ですが,ヤリイカ,マダコなどが生産されています。放流は8種,7,774万個であり,多い順にエゾバフンウニ,キタムラサキウニ,マナマコ,アカウニとなっています。生産と同様に,種苗放流はウニ類が中心となっています(表4)。 |
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最後に本調査の実施にあたって,各機関の調査結果をとりまとめていただいた都道府県および関係研究機関の担当者の方々,調査にご協力いただいた水産試験場,栽培漁業センター,市町村,漁連,漁協,研究所等の皆さまにはこの場を借りて厚くお礼を申し上げます。
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