キャンバス水槽は完成し、ポンプの試運転も何の問題もなく
準備は整い、いよいよマアジ君のダイエット作戦開始です。
生簀から魚を掬って入れたまで良かったのですが
次の瞬間、みんなのバラ色の産卵計画が崩れ去りました。
期待のマアジ君たちは
水流の緩い中央にみんな群れになって
ゆっくり泳いでいます。
水流のきつい側面にはいっこうに近づきません。
これを見て一同
マアジは別に好きこのんで泳いでいるわけではない
ということに初めて気づかされました。
アジ(鯵)は漢字で書くと「魚」ヘンに「参る」ですが
この時ばかりは我々が「参った」状態でありました。
その後、マアジが集まっていた中央付近に
トリカルネットで円形の部分を取り付ける改良を加えたことで
円形水槽がドーナツ状になり
物理的にマアジ君達の生活空間は水流がきつい所だけとなってしまったので
しょうがなく水流に逆らって泳ぐようになり
肥満度もわずかばかり改善しましたが
残念ながら自然産卵には至りませんでした。
しばらくしてマアジの技術開発自体が休止されたため
肥満解消と産卵の関係も明らかにはなりませんでしたが
ある意味、マアジの本質をかいま見た大変貴重な瞬間だったのではないかと思います。
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