宮古湾は親潮の影響をもろに受ける地形であるため
本州太平洋側で一番水温の低い地域といえます。
しかし、秋のこの時期、台風が沖合を走り去ると
「南からのお客さん」が時々市場に顔を出します。
今回紹介するヒレナガカンパチもその一つです。
よく似たカンパチは夏の終わりから晩秋にかけて
今年生まれの若魚(当歳)がまとまって定置網等で水揚げされますが
ヒレナガカンパチは年に数本ときわめてまれな種類です。
両者を列べて比べてみるとわかりますが
ヒレナガカンパチはその名の通り
カンパチに比べて背鰭、腹鰭の前端が伸張すること、
体色は前者が全体的に青味がかって、後者が茶色っぽく見えます。
顔つきも少し違って、ヒレナガカンパチは鼻先のとがったスマートな感じ、
カンパチは鼻が短いため丸顔に見えます。
ブリをはじめとした大型のアジ科魚類は美味で
市場の魚価は高値安定ですが
カンパチは小型の当歳でも味は抜群です。
刺身、たたき、ちょっと気取ってカルパッチョ、何でもござれ。
見た目はヒレナガカンパチがちょっと二枚目ですが
食べてはカンパチの方が一枚上手かな・・・と思います。
魚も人間も同じ・・・と思うあなた
それは三枚目のひがみです。
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