独立行政法人 水産総合研究センター 栽培漁業センター
さいばい日記
トラフグ編 2009年2月掲載の日記

2009年2月
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 2009年2月6日 その5 フグと越えたよ,天城峠 2009.2.25掲載

漁業者から受け取った大切な親フグをトラックへ積み込みます。
フグは歯がとても鋭いので,フグ同士が噛み合って傷つくことを避けるために,
1尾ずつ個別の水槽(発泡スチロール箱)に入れて運びます。
本日入手した3尾を3つの輸送水槽に収容します。
トラックの荷台全体にホロをかけて,いよいよ栽培漁業センターへ向けて出発です。

輸送水槽の中の親フグ。 しばらく辛抱してくれよ〜


舞阪町から続く幹線道路を15キロほど走り,東名高速道路に入ります。
浜松西IC入口の電光掲示板には,交通障害や渋滞の情報は出ていません。
丘の斜面に茶畑が広がる中,高速道路を快調に進むこと約1時間半,再び由比まで戻ってきました。
天気の良い日であれば,正面にそびえる富士山を眺めながらの
爽快なドライブとなったのですが,残念ながら今日の富士山はすっぽりと雲の中。

沼津ICを夕方の4時半に通過して一般道へ。
しばらく賑やかな沿道が続きます。
夏にはアユ釣りで賑わう狩野川に別れを告げると,いよいよ最大の難所,天城越えがはじまります。
右へ左へと,大きく曲がるカーブが連続します。
輸送水槽の中の親フグたちが心配になりますが,いつまでも狭い所に閉じこめておくわけにもいきません。
アクセルを踏み込んで頂上を目指します。
夕方5時を少し過ぎた頃,ようやく峠の新天城トンネルを通過しました。

新天城トンネルを抜ければ,峠道も残り半分


トンネルを抜けると,今度は急勾配の下り坂がはじまります。
親フグたちは,きっと洗濯機の中にでも入っている気分でしょう。
天城峠をくだり終わる頃には,日はとっぷりと暮れて,あたりは真っ暗です。
桜祭りでにぎわう河津町を通過して,ようやく下田市の中心部に近づいてきました。
もうすぐだ〜,と安心したのも束の間,
な,なんと,道路の前方にはブレーキランプの赤い光が,どこまでも 赤・赤・赤・赤・赤・・・・。
夕方の通勤ラッシュにぶつかってしまいました。
はやく親フグを広い水槽で泳がしてあげたいのに。トホホ,です。




渋滞の時間を利用して,栽培漁業センターで待機している職員に携帯電話で連絡します。
 「鈴木で〜す。 おつかれさまで〜す。今,下田の駅前まで来ました〜。
あと30分くらいで到着しますので,準備をお願いしま〜す」
下田市街の渋滞を抜けて,ラストスパートです。
走り慣れた地元の道を進みます。弓ヶ浜大橋を渡ると海岸線に出ます。
日中であれば伊豆諸島の島々を臨むことができますが,この時間は沖を進む貨物船の明かりだけが,点々と海上に浮かびます。
そして,小高い丘のカーブを抜けると,ついに栽培漁業センターの灯が見えてきました。
門をくぐり栽培漁業センターの敷地へ入っていくと,待機していた職員が総出で出迎えてくれます。
親フグたちを収容する大型水槽の脇にトラックを停めると,
ホロを外し,輸送水槽を空けて,中の様子を確認します。
親フグたちはかなりお疲れの様子ですが,3尾ともエラ蓋を力強く動かして呼吸しています。
大丈夫,大丈夫。よくぞ過酷なドライブに耐えてくれました。
 「おつかれさま〜」 と声をかけて,すぐに広い水槽へ収容してあげたいところですが,
3尾の親フグたちは,最後に生死をかけた荒療治を受けなければなりません。
親フグ入手の作業は,この後,最大の佳境に突入します!

ようやく栽培漁業センターに到着です。親フグたちは元気かな?
 2009年2月6日 その4 ついに,親フグGET! 2009.2.19掲載

次々と帰ってくる漁船に,親フグとして使えそうな大物が釣れたか聞いてまわっていると,
ついに,「大きいのが1本あるよ〜」 との声が帰ってきました。

ヤッター!
すぐに,漁船に乗り移って活魚槽の中をのぞき込むと,
白いおなかを少し膨らませ,横向きになって浮かんでいる大きなフグが目に飛び込んできました。
思わず,大きい〜!
ここで焦ってはいけません。
しっかりとフグの状態を確認しなければいけません。
冷静さを装って 「ちょっと体を確認させてください」 と漁業者に声をかけます。
まずは,からだ全体の状態を右側,左側それぞれについて確認します。

体表に目立った傷はありません。
左右の眼にも擦れたような痕跡は見当たりません。
それから口の中を入念にチェックします。
口の中もキレイです。
釣針は口の外側に掛かったようです。
親フグ候補として問題なしの上物です。

「これ,使わせてください!」 
「おぅ,もっていきな〜」
ついに今シーズン1尾目の親フグを入手することができました。
市場のハカリで重さを量ってもらうと,なんと6キロを超える超大物でした。

「オ〜イ,こっちのも見てくれよ〜」
と,再びうれしい声がかかります。
あっちの船,こっちの船と親フグ候補の見定めに走り回ります。
しかし,片方の眼が傷ついているものや,
口の中に大きな傷を負っているものも少なくありません。
こちらとしては,受け取りを断わる時の方が気をつかいます。
しかし,せっかく受け取ったのに,途中で死んでしまっては,
漁業者のメンツを潰すことにもなりますので,見定めは慎重に行わなければなりません。

2時近くになり,本日出漁したすべての漁船が帰港しました。
こうしてハラハラドキドキの初日でしたが,3尾の立派な親フグを入手することができました。
漁協の職員,仲買人,そして漁業者のみなさんへの挨拶を済ませて,帰り支度を急ぎます。

親フグたちは,これからトラックに揺られて南伊豆まで,約4時間のドライブに耐えなければなりません。
途中には,急勾配と急カーブが続く天城峠も待ちかまえています。
早く栽培漁業センターの広い水槽に泳がせてあげなければなりません。
親フグたち,どうか頑張ってくれよ!







口の中も傷ついてないですね。
これ使わせてもらいます!
漁業者から親フグを受け取ります。








いいフグだな〜。
稚魚をたくさん作ってくれよ。










全長70cm,体重6kgを超える超大物でした。
 2009年2月6日 その3 悪夢が現実に!? 2009.2.18掲載

グングンと漁船が港へ近づいてきます。
長靴,カッパに軍手にと,こちらも身支度を整えて準備はオッケーです。
もう少し近づいて来たら,漁船に向かって手を振ってみようと思っていると・・・
おや,どうも様子が変です。
漁船は荷さばき場とは違う方向へ進んでいきます。
なんと船はまっすぐ係船場へ入ってしまいました。
残念ながら,この船は釣果がなかったようです。
うわさ通り,年明けからのフグ漁は相当キビシイようです。
「フ〜ッ」とため息が出ます。
仕切り直しです。
本日は30隻ほどが出漁しています。
すご腕の漁業者ばかりですので,きっと立派な親フグを持ってきてくれるでしょう。きっと・・・

次の漁船の帰りが気になります。
今切口の方向を何度も見に行ったり,トイレに行ったりとソワソワして落ち着きません。
昼1時近くになり,ようやく漁船が次々と帰りはじめました。
荷さばき場の岸壁に近づいてくる漁船にかけ寄って,親フグが釣れたか聞いてまわります。

「おつかれさま〜 大きいのありますか〜?」
「だめだめ〜,小さいのが2本だけだに〜」
あっちの船,こっちの船と次々に声をかけますが良い返事は帰ってきません。
「水温も潮も悪すぎるよ。この潮じゃ〜,しばらく日が経たんと釣れんかもしれんな〜」

ガ━━ン
目の前に暗雲がモクモクと垂れ込めてきました。
親フグ入手の初日から,ここまで漁のないシーズンは初めてです。
泣いても笑ってもトラフグ漁は2月末で終漁です。
生産に必要な親フグが集まるのかどうか心配になってきました。


今切口をぬけて舞阪漁港へ向かう漁船









次々と漁船が荷さばき場に入ってきます。
「大きいのありませんか〜?」
 2009年2月6日 その2 人事を尽くして漁船を待つ 2009.2.10掲載

さ〜て,こちらものんびりしてはいられません。
舞阪漁港を荷さばき場とする浜名漁業協同組合の総務課や購買課のみなさんには,
2月から親フグ集めを開始すると事前に伝えてありますが,ここで改めて挨拶にまわります。
「おはようございま〜す。今シーズンもよろしくお願いします!」
やはり職員のみなさんも,年明けからの不漁を心配していました。
「ここ最近,めっきりフグが釣れんくなったもんでの〜」

舞阪漁港を商売の本拠地とする仲買業者のみなさんにも,あいさつを忘れてはいけません。
仲買業者のみなさんからしてみれば,わたしたちは大事な商品であるトラフグの,
その中でも極上のフグばかりを選んで持っていってしまうのですから,
たまったものではありません。
しかし,この地域でのトラフグ栽培漁業の大きな効果は,
漁業者のみでなく仲買業者や加工業者,
トラフグでまちおこしを進めている観光業者にまで浸透しており,
親フグを持っていくことに文句を言う人はほとんどいません。
「稚魚をいっぱい作って海に帰してくれれば,俺たち仲買の仕事もやりやすくなるよ」

みなさんへのあいさつを済ませると,
次はトラックを市場の脇に付けて,親フグを積み込むための準備を進めます。
「成生さ〜ん,水槽はいくつ準備しておきましょうか〜」
「そうだな〜,4つくらいでいいんじゃないかな〜」
年明けからもそれなりにトラフグの水揚げが続いている年であれば,
もっとたくさんの水槽を準備しておくのですが,周りから聞こえてくる話から察すると,
あまり期待はできそうにありません。
淡々と準備を進めながら心の中でつぶやきます。
「フグと越えたい,天城〜越え〜」

近くのコンビニで買ってきた弁当で,ちょっと早めの昼食です。
トラックの運転席に座り,弁当を口の中へかっ込みます。
時計は正午をまわったのに,漁船が帰ってくる気配はいっこうにありません。
普段であれば漁船を岸壁に着けて,釣れたフグを水揚げする姿が見られる頃です。
おそらく天候が回復したので,時間ぎりぎりまで漁を続けているのではないか,
との購買課の職員さんの話。
気がつけば,明け方に空を覆っていた雲はどこかへ消え去り,上空は青空に変わっていました。

今か今かと,漁船の帰りを待っていると,
ついに今切口(いまぎれぐち ※遠州灘と浜名湖を結ぶ水路)を抜けてくる漁船の姿が見えてきました。
本日一番乗りの漁船が,両舷に真っ白な波しぶきを立てて港へ向かってきます。

どうか,立派な親フグを持ってますように!







親フグをトラックへ積み込む準備を進める。
発泡スチロール容器1個に
1尾ずつの親フグを積んで運びます。








浜松市の南には広大な遠州灘が広がる。 
今切口の上に架かる浜名バイパスが右端に見える。
大橋をくぐれば舞阪漁港はすぐそこ。
 2009年2月6日 その1 親フグ入手に暗雲! 2009.2.9掲載

「ピッ ピッ ピピピピ・・・・」
午前4時にセットした目覚まし時計が鳴り出しました。
今日からが勝負だぞ〜! と自分に言い聞かせて布団から抜け出します。
サッと身支度をすませて,まだ真っ暗な舞阪の街を,歩いて民宿から港の集会場へ。
空一面には薄い雲がかかっていて星は輝いていません。
トラフグは天気が良く明るい日の方がたくさん釣れるので,天候はとても気になります。
日中には雲がとれて快晴になってくれると良いのだが・・・。
風はそよそよと静かで,コンビニの駐車場に立ててあるのぼりは下を向いたまま。
出漁には影響なさそうです。

集会場が見えてきました。
中には灯が点いていて,すでに漁業者らが何やら話し中。
「おはようございま〜す」と声を張り上げて集会場へ入っていきますが,
みなさんあまり元気がなさそう。
世話人さんに話を聞いてみると,
「年明けからの漁はさっぱりだに。フグの顔を拝めずに帰ってくる船も多いけんの〜。
今年の親フグ集めは苦労しそうだに〜」 との返事。
他の漁業者にも話を聞いてみますが,答えはみな同じ。
親フグ入手にいきなり暗雲が立ち込めてきました。

時計の針が5時半を指し,漁業者集会がはじまりました。
本日の出漁が決まり,いよいよ私の出番です。

「おはようございます,栽培漁業センターです。今日から親フグの受け入れをはじめます。
立派なトラフグが釣れましたら傷つけないように港まで持って帰って来てください」
今シーズンの親フグ集めの開始を宣言しました。

すぐに各船の本日の持ち場(漁場)を決めるためのくじ引きが始まります。
いつもとは違い,親フグに相応しい大物が潜む海域に持ち場が集中します。
親フグ集めのこの時期は水揚げ度外視で,立派な親フグを栽培漁業センターに引き渡すために,
漁船は遠州灘を走り廻ります。
集会場を後にした漁業者は船に乗り込み次々と持ち場へ散っていきます。
みなさん,どうか立派な親フグを釣って来てくださいよ〜。

少し明るくなってきた舞阪の街ですが,上空の雲は,まだしばらくは消えそうにありません。







出漁前の漁業者集会で親フグ集めの開始を宣言。
(いちばん左が筆者)









舞阪漁港の夜明け。
シラスを獲るための大船が並びます。
 2009年2月5日 その2 連携プレーが大事です 2009.2.6掲載

明日は早朝5時半から行われるトラフグ延縄漁の出漁前集会に参加して,
親フグ集めの協力を漁業者のみなさんに呼びかけます。
そのため今夜は浜松市舞阪町の民宿に一泊です。

東海3県でトラフグ漁(延縄漁)が行われるのは10月から翌年2月までの5ヶ月間です。
トラフグ稚魚の生産に使う親フグには,漁期の最終月である2月に,
東海3県の沿岸で釣れる天然トラフグを使うことにしています。
この海域に生息するトラフグの産卵期は4〜5月なので,
2月には産卵間近の親フグを入手することができます。

ただし,親フグを集めると言っても,
それを大海原から釣り上げてくることは,そう簡単ではありません。
延縄漁で釣れるトラフグの大きさは,全長40cm,体重1キロ前後のものがほとんどですが,
このサイズでは卵を取るための親フグとするには,まだ若すぎます。
わたしたちが必要とするのは,全長60cm,体重4キロを超える大物ですが,
このような大物フグの数は非常に少なく入手は困難を極めます。

また,せっかく大物を釣り揚げたとしても,口の中,眼や体に,
釣針や釣糸により致命的な傷を負ってしまう場合も少なくありません。
食材としては申し分のないフグですが,卵を取るための親フグとしては残念ながら失格です。

さらに悪いことに,この季節,静岡県西部は
「遠州の空っ風」と呼ばれる強風が吹き荒れるため,
漁に出られる日はごくわずかです。

このような悪条件の中,漁業者たちにはたいへんな苦労をして,
親フグ集めに遠州灘を走り廻ってもらわなければなりません。
なので,必要な親フグの大きさや尾数,状態などを
漁業者たちにしっかりと伝えておかなければなりません。

漁業者のみなさんは立派な親フグを海から釣ってくる。
栽培漁業センターは立派なトラフグ稚魚を生産し海へ帰す。
それぞれがしっかりと役割を果たさなければいけません。
東海3県でのトラフグ栽培漁業の環(わ)がうまく廻るためには,
漁業者と栽培漁業センターとの連携プレーがとても大事です。

さて,今夜は明日の親フグ入手に備えて早めの就寝です。






トラフグ延縄漁の様子(2008年10月撮影)

船を走らせながら
数百本の釣針が付いた仕掛けを海へ投入していく。








トラフグ延縄漁の様子(2008年10月撮影)

投入した仕掛けを端から順番に取り込んでいく。
膨れたトラフグが揚がってきた。

 2009年2月5日 一路,浜松へ 2009.2.5掲載

「明日はいい凪になりそうだに〜」

トラフグ漁の世話人さんから電話が入りました。
「了解です! 明日は朝から顔を出しますのでよろしく〜」
と携帯を切ると,トラックの支度をすませて,いざ浜松を目指して出発です。

心配していた天城峠に雪はなく,あっさりと越えることができました。
峠の木々はまだまだ寒そうですが,ワサビ田の緑だけはこの時期でも鮮やかです。







天城名物ワサビ田の清々しさは
年中変わりません。



先輩の成生さんと昨シーズンの親フグ入手の思い出話に花を咲かせながら
国道1号線を快走していると,ラジオからは
「静岡県内の東名高速道路は上下線ともに順調に流れています」との声。
どうにか浜松までスムーズに行けそうです。

沼津ICからの東名高速道路では,途中サクラエビで有名な由比の辺りで
海を間近に臨むことができます。
車窓から見える駿河湾は穏やかで,明日の親フグ入手に期待が膨らみます。
明日は夜明け前から忙しくなるぞ〜。







東名高速道路は由比で駿河湾が間近に迫ります。
晴れた日には伊豆半島の西岸が一望できます。








運転はベテラン先輩の成生さんと2人で交代しながら。
安全運転に心がけま〜す。

←こちらが成生さん
 2009年2月4日 フグと越えたい天城越え〜♪ 2009.2.4掲載

トラフグ稚魚(種苗)の生産に使う親フグ集めが始まりました。
これから2月末までの1ヶ月間は,トラフグの水揚量が県内で最も多い浜松市の舞阪漁港へ
親フグ入手のため片道4時間の往復を繰り返します。

南伊豆栽培漁業センターのある伊豆半島は温暖なイメージがありますが,
この季節,標高約700mの天城峠では雪が降り積もることも珍しくありません。
沼津市から浜松市までは東名高速道路を使いますが,ひとたび事故が発生すれば大渋滞に!
ちなみに,先日は逃げ出したペットの犬を捕まえるために交通規制が敷かれていました。
天城峠と東名沼津ICの間には,いつも渋滞している国道1号線があります。
沿道にはラーメン,牛丼,回転寿司などのお店が立ち並んでおり,
思わぬ足止めを食らわないように運転に集中しなければいけません。

トラフグの輸送に使うのは写真の2トントラックです。
車検も済ませてエンジンは快調!
何事も無く今シーズンも親フグ集めが乗り切れますように!!








親フグの輸送に使うトラック。
南伊豆の河津桜はすでに満開ですよ。
 2009年2月1日 自己紹介 2009.2.3掲載

はじめまして。
南伊豆栽培漁業センターの鈴木です。
この2月からトラフグの人工採卵,稚魚の飼育から放流まで,
現場での奮闘ぶりをみなさんにお伝えしていくことになりました。
トラフグの成長ぶり,そして,トラフグの飼育に様々な形でかかわる人たちを
楽しく紹介していきたいと思います。
短い間ですが,おつきあいのほど,よろしくお願いいたします。

まずは簡単に自己紹介。
昭和44年(1969年)神奈川県生まれの栃木県育ち。
血液型はA型のごく平凡な日本人です。
小さな頃は,近くの田んぼ・海や山で生き物と遊ぶことに明け暮れていました。
こんな私が就職先として選んだのは,生き物と接する仕事ができる栽培漁業センターでした。
初任地は静岡県伊豆半島の南端にある南伊豆栽培漁業センター。
次に北海道の東部太平洋岸に位置する厚岸栽培技術開発センターで10年勤務し,
3年前に再び南伊豆栽培漁業センターに戻ってきました。

担当することになったのは,高級魚のトラフグです。
トラフグと言えば山口県(下関)が本場ですが,
実は静岡県や愛知県,三重県でもトラフグがたくさん獲れるんです。
でも,この周辺で獲れるトラフグは豊漁と不漁の変化が激しいために,
漁業経営ばかりでなく,トラフグを取り巻くさまざまな関連産業の経営が安定しない状況です。
そのため,人工的に育てたトラフグ稚魚を海に放流して,資源を増やし
水揚げの安定化を図ろうという試みが進められています。


よろしくお願いします!