独立行政法人 水産総合研究センター 栽培漁業センター
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No.127 全国の栽培漁業の統計資料まとまる
     ― 平成18年度 栽培漁業種苗生産,入手・放流実績の刊行 ―   2008/04/18
本部業務推進部栽培管理課 清水 智仁
 「栽培漁業種苗生産,入手・放流実績」は全国の関係機関における海産魚介類の種苗生産と種苗放流の実績を調査し,一元的にとりまとめた統計資料です。調査は,独立行政法人水産総合研究センターが外部委託し,平成19年度は(社)全国豊かな海づくり協会が実施しました。
 この度,平成18年度栽培漁業種苗生産,入手・放流実績がまとまりましたので,結果を紹介いたします。
 平成18年度に種苗生産の対象となった種は74種でした。また,種苗放流が行われた種も74種でした。ここでは,平成18年度の種苗生産および種苗放流が行われた種を「魚類」,「甲殻類」,「貝類」,および「その他の動物(タコ,ウニ,ナマコ等)」に分類し,区分ごとの概要を以下に説明します。
(栽培漁業主要対象種の種苗生産,放流実績(S58〜H18の7EXCELファイルはこちらをご覧ください)
(1)魚類
 平成18年度に種苗生産された魚類は35種で合計8,679万尾であり,生産数の多い順にヒラメ,マダイ,ハタハタ,ニシン,カサゴが上位5種でした(表1)。
 また,種苗放流では35種で合計7,622万尾が放流されており,ヒラメ,マダイ,ハタハタ,ニシン,およびトラフグが上位5種を占めています。

(2)甲殻類
 平成18年度に種苗生産された甲殻類は10種で,合計2億5千933万個体でした。生産数の上位5種はクルマエビ,ガザミ,ヨシエビ,クマエビおよびノコギリガザミの順で占められています。
 種苗放流では8種で合計1億9千502万個体が放流されており,クルマエビ,ヨシエビ,ガザミ,クマエビ,およびノコギリガザミが上位5種でした。種苗生産数,種苗放流数共にクルマエビが全体の約60%を占めています(表2)。

(3)貝類
 平成18年度の貝類の種苗生産は20種類で行われ,合計34.8億個体が生産されました。生産数の上位5種はホタテガイ,エゾアワビ,チョウセンハマグリ,クロアワビおよびメガイアワビとなっています。貝類の種苗生産数の98.6%はホタテガイで占められています。
 種苗放流では,貝類は24種類で合計192億個体が放流されており,アサリ,ホタテガイ,エゾアワビ,チョウセンハマグリ,およびクロアワビが放流の上位5種を占めました。種苗生産数に比べ放流数が5倍以上あるのは,貝類の場合,天然種苗を採集して放流する場合が多いためです。天然から採集したアサリとホタテガイが,放流個体のほとんどを占めています(表3)。

(4)その他の動物
 魚類,甲殻類,貝類以外の水産動物は“その他の動物”として取り扱いました。
 平成18年度におけるその他の動物の種苗生産は8種で行われ,合計6,387万個体が生産されました。生産個体数の多い順にエゾバフンウニ,キタムラサキウニ,マナマコ,アカウニおよびバフンウニとなっています。ウニ類の種苗生産数が全体の94%を占めています。 
 種苗放流は7種で行われ,合計7,818万個体が放流されており,放流数の多い順にエゾバフンウニ,キタムラサキウニ,マナマコ,アカウニ,およびバフンウニとなっています。生産と同様,放流の中心はウニ類でした(表4)。種苗生産,放流ともにマナマコが増えていることが近年の特徴です。

 最後に本調査の実施にあたって,各機関の調査結果をとりまとめていただいた,都道府県および関係研究機関の担当者の方々,調査にご協力頂いた水産試験場,栽培漁業センター,市町村,漁連,漁協,研究所の皆様には,この場を借りて厚く御礼申し上げます。