独立行政法人 水産総合研究センター 栽培漁業センター
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No.124 栽培漁業技術中央研修会が開催されました   2008/03/10
業務推進部栽培管理課 清水 智仁
 水産総合研究センターでは,栽培漁業技術の普及と定着を目的として,毎年,栽培漁業技術中央研修会を開催しており,本年度は,平成20年1月28,29日に開催しました。研修会には,国,都道府県の行政担当者,試験研究機関,栽培漁業センター等の関係者及び講師の計135名が参加しました。

 今回は「特産魚介類の地域にとっての経済的価値を考える」というテーマを設定し,これまでの栽培漁業技術中央研修会で行われてきた技術論とは少し視点を変え,栽培漁業の経済的側面についての講義を行いました。

 当日は,
多屋勝雄 東京海洋大学名誉教授が「魚の価値を考える-地域における栽培漁業の価値-」,
宮田勉 独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所室長が「地域特産水産物の経済的価値」,
工藤貴史 東京海洋大助教が「海洋レジャーから考える地域にとっての資源の価値」
について講義があり,栽培漁業が持つ直接効果以外の間接効果や,地域経済への波及効果等について参加者からの質疑がありました。

 翌日は実例をもとに,
有路昌彦 アミタ持続可能経済研究所主席研究員から「瀬戸内海サワラの価格形成に関する経済分析」,
河野延之 環浜名湖の観光振興を考える会事務局長から「“遠州灘天然とらふぐ”のブランド化とそれを活用した観光振興」,
清水大輔 独立行政法人水産総合研究センター宮古栽培漁業センター技術開発員から「栽培漁業に対する地域住民意識-厚岸町でのニシン放流を事例として-」
についての講演がありました。

 参加者からは地域経済やレジャー産業などから見た水産物の価値,これからの環境を考慮したフードマイレージの考え方,経済効果の評価方法,漁業管理の重要性等について活発な質疑応答が交わされました。

 総合討論では,水産総合研究センター業務企画部桑田研究開発コーディネーターを座長に,栽培漁業の出口としての経済効果評価や受益者負担に関する議論が交わされました。

 研修会に参加した出席者は,栽培漁業の経済波及効果について新たな視点から考えることができ,また,栽培漁業が地域振興の一翼を担っていることを理解していただけたかと思います。