独立行政法人 水産総合研究センター 栽培漁業センター
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No.120 平成19年度栽培漁業ブロック会議が開催されました   2007/12/20
業務推進部栽培管理課
 栽培漁業に関する施策や技術開発上の課題・問題点等について,関係機関と情報交換及び協議を行うため,水産庁,都道府県,社団法人全国豊かな海づくり推進協会(以下海づくり協会)及び独立行政法人水産総合研究センター(以下水研センター)等の関係者が出席して,栽培漁業ブロック会議が開催されました。
 今年度の開催状況は下表のとおりです。
共通課題
 都道府県の財政事情の悪化や低金利による公益法人の基金の運用益の減少,魚価安・燃油の高騰などによる漁業者の栽培漁業事業への費用負担の減少といったことを背景に,今年度は栽培漁業予算の確保,公益法人の運営問題,今後の栽培漁業の実施体制等について検討要望が出されたことから行政的課題を中心に論議されました。
 また,6次基本方針の作成に向けて,栽培漁業の実施体制,中核として存在する公益法人の運営,事業の進め方等について検討が必要であり,関係機関と意見交換し,これを基に次期基本方針について検討していきたいとの意見が出されました。これに関連して,外部資金の獲得,水産庁の補助事業である栽培漁業資源回復等対策事業の実施状況,種苗交換事業を含めた広域栽培漁業の推進構想について紹介があり,栽培漁業を進めていく上で,国,都道府県,水研センター及び海づくり協会の連携が必要であるとの認識が得られました。
 このほか,栽培対象種(マダイ,ヒラメ,トラフグ等)の資源評価結果や資源評価事業の見直し,栽培漁業技術実証試験(キジハタの種苗生産,オニオコゼ,ガザミの中間育成,マツカワ,トラフグの放流効果調査)の事例,省力型種苗生産方法の事例などについて説明がありました。防疫的見地からみた放流種苗に関する申し合わせ事項については,水産資源保護法の改正等により見直しが必要になったことから水研センターで作成した修正案について協議され,全ブロックで了承されました。
 また,水研センターは,海づくり協会に委託実施している実証試験の結果とヒラメ,トラフグ,サワラ,ガザミ等の実証試験事例の報告をしました。
ブロックでの検討課題
 太平洋北ブロックでは,ヒラメの流通実態として,天然と養殖ヒラメの国内流通,韓国産養殖ヒラメの輸入動向,安い養殖魚の輸入量の増加に伴い価格が低下し高級魚から中級魚へシフトしたことなどについて紹介があり,対策としては地産地消,出荷先や時期の検討,天然を売りとしたブランド化等が挙げられました。
 太平洋南ブロックでは千葉県から食害の少ない冬場にアワビを放流することにより回収率を向上させる取り組みや,瀬戸内海ブロックでは香川県から基金の事業費を活用して公益法人自らが効果調査を行っている事例,水研センターからこれまで有効な標識がなかったガザミで遊泳脚切除標識が有効であり,この標識を用いて放流効果調査した結果,回収率が3.9%となった事例について紹介がありました。栽培漁業を継続していくためには放流効果の実証が必要であり,こういった事例の積み重ねが重要と考えられます。
 また,九州西ブロックでは,知事会の政策連合で取り組むこととなった広域回遊魚の放流事業について話題提供があり,栽培漁業の新たな実施体制として注目されます。