加工場の協力により耳石を収集する調査手法の実用化には,加工場に負担をかけずに耳石を効率的に収集する方法の開発が不可欠です。何か良い方法はないかと検討して考案したのが,医療用のアスピレーター(吸引機)で耳石を含む周辺組織を吸い取ってしまう方法です(写真5)。
トラフグ加工場へ機械を持ち込み,加工場の方に使ってもらった結果,組織の吸い取りは非常にスムーズであることがわかりました。吸い取ったサンプルを栽培漁業センターへ持ち帰り,その中の耳石を数えたところ,4,750尾の処理魚から6,784個の耳石が得られました(表1,写真6)。
従来の割りばしを利用した掻き出し法の採取効率が30%程度であったことと比較すると,今回の吸い取り法では70%近い採取効率が得られたことになり,格段に効率が向上しました。実用的かつ効率的な耳石の収集方法が見つかったことで,新たな放流効果調査手法の確立に向けて一歩前進しました。
今後は開発した技術を利用して,トラフグ種苗の効率的な放流手法を明らかにすると同時に,トラフグ資源の持続的利用の一役を担うべく,精力的に研究開発を進めていきます。
|