ここ数年の調査結果から,放流後の移動はあまり大きくないことが明らかとなり,放流海域で成長したホシガレイは,1年後の6月頃から全長25cmくらいで漁獲が始まります。成長は特にメスが早く,大きいものは1歳で40cm,2歳で50cm,3歳で55cmになります。3歳までの回収率(放流された魚のうち,市場等で水揚げが確認できた魚の割合:再捕尾数/放流尾数×100,単位%)は5〜10%となり,魚価が非常に高いことから十分な経済効果が得られる可能性があります。
このようにホシガレイの栽培漁業は希望のホシですが,本種の資源は非常に小さいため,人の手で育てた稚魚を大量に放流することで,天然のホシガレイの遺伝的多様性に影響を与える可能性が心配されます。そのため水研センターでは農林水産省のプロジェクトに参加し,遺伝的多様性に与えるリスクの評価とそれを低減する技術開発を宮城・福島両県の関係機関と共同で進めています。
ホシガレイの栽培漁業に関する技術開発は発展途上ですが,良い条件で放流すれば効果も高く,魚価が非常に高いことから経済的な効果が期待できます。今後はホシガレイの遺伝的な多様性にも配慮しながら資源の回復を図り,とっても美味しいホシガレイを安心・安全に皆様のお口に届くよう技術開発に努力していきたいと思います。
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