独立行政法人 水産総合研究センター 栽培漁業センター
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No.114 京都丹後の水産物にチョットだけタッチ
  ―宮津栽培漁業センターの施設公開―  2007.08.31
宮津栽培漁業センター 升間 主計
 天橋立で有名な京都府宮津市には,水研センター宮津栽培漁業センター,京都府立海洋センター,京都府栽培漁業センター,関西電力宮津エネルギー研究所丹後魚っ知館(ウォッチかん)があります。

 夏休みに入ってすぐの7月31日,これら4つの水産関係施設の公開が行われました。近隣の小学校2校(養老,栗田)と一般公募から選ばれた子ども達と父兄,合わせて58名が梅雨明けの暑い中で丹後の水産や魚介類について,各施設で職員から説明を受けながら見学しました。
 参加者の皆さんには,京都府立海洋センターでは調査船平安丸での調査実習,京都府栽培漁業センターではアワビやサザエの栽培漁業,魚っ知館ではバックヤードツアーを楽しんでいただけたようです。

 私たち宮津栽培漁業センターでは現在取り組んでいるアカアマダイ,ヒラメの栽培漁業について理解してもらえるように展示を工夫しました。アカアマダイのコーナーではアカアマダイ仔稚魚の成長,育て方,巣穴を掘る生態,イラストマー(これは可視光線の中のある特定の波長の光を当てると蛍光を発する蛍光シリコンで魚や人間には無害です)を使った標識試験などについて学んでもらいました。
 巣穴生活するアカアマダイの生態を知ってもらおうと,海洋センター平安丸の協力でアカアマダイが自然の海で実際に巣穴を作っている水深80mの海底から採取した泥を底に敷いた水槽内で人工種苗に巣穴を掘ってもらい,直接巣穴を観察してもらいました(巣穴は完全ではありませんでしたが)。
 また,最初は恐れながらでしたが自然では直接触れることができない海底泥にタッチし,泥の感触を体験してもらいました。イラストマー標識では実際に冷凍アカアマダイにイラストマーを注入し,LEDライトを使って発色するところを観察してもらった時には,標識がハッキリ見える様子に驚きの歓声が起っていました。
アカアマダイは海底の泥地に
トンネル状の巣穴を掘って生息する
イラストマー標識したアカアマダイに
LEDライトをあてると光ってよく見えるだろ,と
アカアマダイ担当の町田主任技術開発員

 ヒラメコーナーでは親魚養成,種苗生産,放流調査方法について,それぞれパネルや活きたヒラメを使って説明しました。その後,“ヒラメの生態を知ってもらおう”という企画として,砂を敷いた水槽に10cmサイズのヒラメを入れ,砂に巧く潜っているところを観察し,わずかに見える体の一部を頼りに,何尾隠れているか,その数を当ててもらうコーナーを設けました。予想した数が正解に近い人から,賞品として水研センターのふっくん,ふーちゃんの携帯ストラップ等を1つ選んでもらいました。子供だけでなく父兄の方々にも喜ばれました。
 予想以上にヒラメが巧く砂の中に隠れてしまい,数を知っている私たちでも正確に数をかぞえることが難しいほどでしたが,ピッタし正解者が2名も出ました。水槽の周りでじっくり一人で考える子供や友達同士,お父さんやお母さんと相談したり,中には職員にヒントを求める子供など色々でしたが,楽しんでいただけたようです。


何尾のヒラメが隠れてるのかなぁ?おじさん教えてよ・・・

放流魚の特徴はね・・・
麻酔したヒラメの無眼側を示して説明する
ヒラメの担当の渡辺技術開発員
 今回の展示の中で最も好評だったのが,職員のアイデアから用意されたタッチングプールです。付近の海や排水溝から集めたナマコやヒトデ,魚ではハリセンボンやイシダイ,無眼側に色素がある人工生産したヒラメなどを入れたプールで,子供達は洋服が濡れるのもお構いなしで,一生懸命,魚に触れ,魚を捕まえてお父さん達に“獲ったどぉ〜”と自慢げでした。また,意外にも(私の思い過ごしだったかも知れませんが),ナマコや魚に平気でタッチする子供達に,何かホッとした気持ちになりました。
 短い時間でも子供達の心に残る施設公開を来年も企画したいと考えています。

ハリセンボンでもこの通り

ワッ,わっ,逃げちゃう!