独立行政法人 水産総合研究センター 栽培漁業センター
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No.106 新シリーズ,栽培漁業実践ガイドブックの刊行をはじめました  2007.04.10
業務推進部栽培管理課
 独立行政法人水産総合研究センターでは,栽培漁業の研究開発成果を学術雑誌である「栽培漁業技術開発研究」,技術報告書である「栽培漁業センター技報」,技術体系をまとめた「栽培漁業技術シリーズ」の刊行物を公表してきました。これらに加えて,栽培漁業センターで開発された技術開発成果をそれぞれの地域,海域の現場で,より適合して実践するための手引きとして,栽培漁業実践ガイドブックシリーズを刊行することとしました。
 このシリーズ第1巻として,クロソイ中間育成ガイド「クロソイの種苗輸送・中間育成について」と題し,宮古栽培漁業センターの歴代担当者が開発した成果情報をとりまとめました。

 対象種のクロソイは,日本では北海道から九州まで棲息する魚です。分布の中心は北日本であり,北日本の県を中心に栽培漁業が展開されています。
 本種は放流後の移動が少なく,回収率(放流した魚のうち漁獲された魚の割合)20%,費用対効果(漁獲物として販売された金額に対して放流までにかかった経費の比)が1を越える例も認められており,ヒラメと並ぶ北日本の栽培漁業の代表種です。放流後の移動が極めて小さい魚種である点で,他のメバル属魚類のほか,ハタ類やオニオコゼなどの定着性が強いと考えられる魚種のモデルになる可能性も期待されています。

壁紙カレンダーでもおなじみのクロソイ

 本ガイドブックでは,クロソイ種苗の輸送準備,輸送,収容,中間育成(場所,施設,疾病,給餌)について解説し,さらに標識,放流方法,放流調査についても概説しています。また,ちょっとしたコツも記述しており,様々な海域条件であっても,給餌量の見直し等をすれば十分応用が可能ではないでしょうか。
 わずか18ページの小冊子ですが,現場の担当者が業務の傍らに置いて使っていただくことを想定し,写真を多く採用し,分かりやすさを念頭に作成しましたので,初めてクロソイ中間育成を行う方にも無理なくご使用いただけると思います。また,現場の担当者はもとより,普及指導にあたる方々等にも広くご活用願えれば幸いです。さらに,クロソイと同じように定着性が強い魚類の中間育成への応用も期待いたします。本ホームページでも刊行物のページで内容が確認できますので,のぞいてみてはいかがでしょうか。


クロソイ種苗の輸送
輸送のコツお教えします

餌に群がるクロソイ
適正な給餌量,給餌回数って?

ダートタグを装着したクロソイ
いろいろな標識方法のメリット,デメリットも掲載

船上からの種苗放流
放流効果調査には3つの種類が