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| はじめに | |||||||||||||||||||||
| ヒラメは沿岸漁業の重要な対象種であることから栽培漁業の最重要魚種に位置づけられ,近年では全国で年間2,500万尾もの種苗が放流されています。このような種苗の大量放流によって,一部の海域では高い回収率(放流種苗の漁獲尾数/放流尾数)の事例も報告されています。宮津栽培漁業センターが位置する日本海側では漁獲量の低位,減少傾向が見られています。そこで宮津栽培漁業センターでは,日本海中部に位置し比較的規模の大きな内湾域を有する若狭湾をモデル海域として,大型種苗を用いたヒラメ放流試験を実施して追跡調査を行い,放流技術の開発と効果判定手法を検討しています。 | |||||||||||||||||||||
| 方法 | |||||||||||||||||||||
| 放流試験は若狭湾西部海域の京都府由良川河口域で行い(図1),2004年から毎年6月に放流魚の全数に焼印標識(図2)と耳石標識を付けて,全長10cm,10万尾を放流しています。焼印標識は漁獲される放流魚の大きさごとの年齢分解に,耳石標識は,この海域で漁獲される他府県の放流魚と区別するために付けています。これらの放流魚が漁獲され,市場において水揚げされた全てのヒラメについて調査を行い,混獲されている放流魚の回収率の推定を行いました。 | |||||||||||||||||||||
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| 2004年7月までの調査結果 | |||||||||||||||||||||
| 2004年6月から2006年7月までに宮津,舞鶴市場で無眼側の黒化(図3)を放流魚の指標として調査しました。無眼側の黒化とは,ヒラメの体の裏側が本来白い状態であるものが,人工的に飼育すると多くの個体に黒い色素が現れてくることを言い,天然魚との判別が容易となります。しかし,人工的に飼育した魚の全てに黒化が現れるわけではなく,市場調査で無眼側黒化を指標とした場合,黒化部位のない放流魚が天然魚と判定されてしまいます。そこで,放流時の黒化率と漁獲された魚のうちで耳石標識が付いた魚の黒化率を調べたところ差がないことが明らかになりました(表1)。 | |||||||||||||||||||||
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| 図3 天然魚と無眼側黒化魚(放流魚) | |||||||||||||||||||||
| 宮津,舞鶴市場が開催された640日,644日間のうち延べ498日および155日の市場調査を行った結果,この海域では89,500尾の水揚げがあり,そのうち放流魚が8.5%の割合で含まれていることが明らかになりました。さらにこれら放流魚を年齢ごとに区分して,耳石標識の付いている割合から当センター放流分を算出して黒化率で補正した結果,3,207尾の回収尾数と3.21%の回収率が推定されました(表2)。これまで推定が難しかった,天然魚と見分けがつかなかった放流魚についても推定が可能となり,より正確な放流効果の判定が可能になりました。 若狭湾西部海域のヒラメの漁獲は2歳までで75%以上を占め,高齢魚は湾外へ移動している可能性があります。今後はこのような高齢魚でも回収率を高い精度で推定する方法について検討していきたいと考えています。 |
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