独立行政法人 水産総合研究センター 栽培漁業センター
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No.092 金子農林水産大臣政務官がクロマグロ種苗生産施設を視察   2006/08/31
 平成18年8月22日に金子農林水産大臣政務官が,鹿児島県奄美大島の産業視察の一環として,水研センター奄美栽培漁業センターに来場されました。
 奄美栽培漁業センターでは,クロマグロの資源増大を目的に親魚養成と種苗生産技術の開発を行っています。クロマグロの親魚養成については,湾の2カ所を網で仕切った面積約14ha(東京ドーム3個分の大きさ)の施設で7〜13歳魚を約40尾養成しています。この養成方法は世界に例のないものです。この施設で平成18年度は5〜6月の間に18回の産卵があり,合計で約2,000万粒採卵しました。この他に直径40mの円形生簀で,2歳魚約260尾の養成も行っています。
奄美栽培漁業センター
 今回の視察で金子政務官は,仕切り網施設で養成されているクロマグロ親魚の給餌状況を視察され,体重が400kgを越える雄大なマグロの豪快な給餌場面をご覧になり,「これほど大きなマグロが自然に近い状態で泳いでいるのはみたことがない」と感嘆の言葉を発せられていました。また,餌の種類や与える量,マグロの成長,産卵状況等について熱心に質問されました。
仕切り網とクロマグロ
 その後,奄美栽培漁業センターの会議室にてクロマグロの親魚養成と採卵,種苗生産,今後のクロマグロ栽培漁業の展望について,スライドを交え塩澤場長が説明しました。金子政務官から,「クロマグロの養殖に天然のクロマグロ幼魚が利用されていることについて,栽培漁業の取り組みの中で開発された種苗生産技術は養殖用種苗の供給にも応用可能であり,資源保護の観点からも技術の確立を期待する」との感想がありました。

概要説明

給餌風景

仕切り網視察