独立行政法人 水産総合研究センター 栽培漁業センター
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No.091 栽培漁業センターの裏側,ちょっとお見せします−3機関合同一般公開   2006/08/17
 事の始まりは,1年前の「酒事(サカゴト)」でした。小浜栽培漁業センターがある堅海(カツミ)地区では,毎年8月末に神社の境内で二百十日の八朔祭りとして,五穀豊穣,大漁を祈願する酒事という伝統行事が行われます。村の衆が集い車座になって酒を汲み交わす席で,来賓として参加したセンター場長に施設を見せて欲しい,との話があり,ああ,いいですよ,と酒の勢いと軽いノリで始まりました。
 しかし,酒が醒めて少し頭が回転するようになると,せっかく皆に見てもらうなら地域限定では“もったいない”と考えたことがアレヨアレヨという間に話が大きくなり,「若狭地域産学官水産連絡会議」の主催で,(独)水産総合研究センター小浜栽培漁業センター,福井県栽培漁業センターおよび福井県立大学海洋生物資源臨海研究センターの3機関が合同で行う一般公開となりました。
 公開は平成18年7月29日(土)に,晴/曇/時々雨という全天候型の中で行われ,海洋の環境保全や生物資源の増大を目指し研究開発に取り組んでいるこれら3機関が,どのような研究を行い,どのような成果が得られてきたか広く知っていただこうと,両栽培センターの施設見学や臨海研究センターでの講演が行われました。
 小浜栽培漁業センターでは,「ヒラメの種苗生産」と「ズワイガニの種苗生産」をテーマに,普段は職員しか入れない施設の中に見学コースを設けました。

 周年3℃に調温された「親魚棟」では,ズワイガニの3齢期〜6齢期(脱皮回数)の稚ガニと親ガニを展示しました。見学者第1号は,母親と京都からやってきた小学生。早朝に自宅を発って,開場の30分前にタクシーで乗り付けてくるほどの熱心さ(写真1)。インターネットで全国の栽培関係の情報を集め,水産総合研究センターのHPは「お気に入り」に入っている(感心,感心)とか。将来は栽培漁業センターで働きたい(えらい!),らしく,思わず心の中で「採用!」と叫んでしまいました。もっとも,彼が入ってくる頃にはこちらは隠居してるでしょうけど。見学者の熱心な質問に,職員の説明にも熱が入りました(写真2)。


写真1 見学者第1号

写真2 熱心な見学者と,熱心な解説者
 飼育試験を行う「飼育棟」では,ヒラメの体色の正常個体と白化個体を,それぞれ底に砂が有る水槽と無い水槽に同じ数だけ収容し,見つけ難さ(易さ)を比較してもらいました(写真3)。また,宮津栽培漁業センターから友情出演したアカアマダイ幼魚が,見てくれがイマイチ地味なヒラメとズワイガニだけの展示に彩りを添えてくれました。

写真3 「ヒラメはここにいます」「へぇ〜」

写真4 それなりに人だかり
 天候が安定してきた午後からは見学者も増え(写真4),最後にセンター前の浜で「体験!ヒラメ稚魚放流」が行われました。バケツの中のヒラメに夢中な子供と(写真5,6),我が子の写真を撮るのに熱心な親が集まり,大盛況のうちに放流が行われました。
 3機関の集計では,放流を除いて施設見学には約150名の方々に来ていただきました。第一回目ということで,情報・宣伝の面などでは反省面が多々ありますが,まずまずの成功であったと思います。

写真5 みんなバケツを持って!

写真6 一列に並んだら,せーの,で放流してください