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平成18年3月末,五島栽培漁業センターに新たに親魚棟が竣工しました(写真1)。この施設は栽培漁業や養殖対象種の親魚が安定して産卵し,大量に質の良い卵を得る技術開発を進めるために建設されました。この親魚棟には産卵試験を行う水槽と,試験のために光や水温条件などを制御できる設備が整備されています。 五島栽培漁業センターでは,日本の養殖魚の代表種であるブリ類(ブリやカンパチ),幻の魚で高級魚として有名なクエ(「あら」とも言い,あら鍋で有名)を対象に,養殖や放流に必要な稚魚を安定して生産する技術開発に取り組んでいます。これらの稚魚の飼育にとって,親魚を飼育するということは,稚魚を育てるための第一歩に当たる重要な仕事です。いい親魚を育てるには親魚の産卵期のコントロールと,飼育環境の管理が欠かせません。 |
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| 写真1 親魚棟 | ||||||||
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| また,魚の成熟には多くの条件が必要であり,その中でも水温や光等の環境条件は特に重要です。魚は水温の上昇や下降,一日のうちの明るい時間の長,短(日長)で季節を感じることによって成熟,産卵を繰り返しています。マダイやヒラメではこの水温と日長の環境条件をコントロールすることにより,一年中卵を採ることに成功し,ブリでも同様の技術で産卵期を早め,卵を採る技術が開発されています。これまでの親魚水槽には,簡単な加温装置や水槽を覆う遮光幕はありましたが,水温,日長のコントロールが不十分でした。新たに建設された親魚棟には,水槽ごとに加温・冷却装置と照明の制御装置が設けられたため,改善することができました。 さらには,病原体(ウイルス,細菌)の侵入や増殖を防ぐため,飼育水,排水の殺菌処理装置も備えています。水槽には循環装置を取り付け,新たに使用する海水を減らし,排水の熱を再利用する装置により,コストの低減にも配慮しています。 |
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| こうして,親魚の飼育環境条件を人間が完全に管理できる,世界でも例のない施設ができました。これまでに技術開発された成果を活用し,親魚の産卵期を自由にコントロールでき,いつでも大量かつ良質な卵が安定的・計画的に採れる技術の実現を目指して,職員一同,これまで以上にがんばっていきます。 | ||||||||
| ■親魚棟の概要 |
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