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| はじめに | ||||||||
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これら問題点への対策として,ウイルスフリーであることを確認した雄親魚から精子を採取し,個体別に凍結保存した精子を計画的に人工授精に用いる方法が有効と考えられました。
古満目栽培漁業センターでは,クエの精子凍結手法について検討し,凍結精子の受精能力を人工授精実験により確認しました。また,実際に人工授精を行う時の必要条件である,解凍した精子の有効期間や凍結した精子の数年後の精子の受精能力等についての知見を得たのでご紹介いたします。 |
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精子の凍結手法 |
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精子を凍結するための条件として,海産魚の精子凍結に用いられる耐凍剤2種類と希釈液3種類を用いて,それぞれの最適な濃度と凍結速度について試験を行いました。試験結果の評価には,凍結解凍後の運動精子比(全精子数に対する運動精子数の割合)を指標として用いました。 その結果,クエの精子凍結では,耐凍剤に5.0%DMSO(ジメチルスルホキシド)を用い(図1),5.4%グルコース液を希釈液(図2)として-32.5℃/分(液体窒素液面からの高さ3cm)の速度で凍結(図3)する方法が有効であることが確かめられました。 これら条件下で凍結した精子を用いた人工授精により,精液量20μl分の凍結精子で10gまでの卵量に対し,新鮮精子に匹敵する受精率,ふ化率を得ることができました(表1)。 |
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クエ凍結精子の保存期間
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凍結後,約2年間を経過した(2002年凍結)精子を解凍し,受精試験を行ったところ,同容量の新鮮精液とほぼ同等の受精率,ふ化率を得ることができました。この結果,長期間(2年間)保存した精子も受精能力は十分にあることが確認できました。 |
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| 解凍した精子の有効期間 | ||||||||
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技術の応用と今後の課題
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この技術開発で得られた知見は,ハタ類種苗生産の共通の問題である雄親魚の確保や受精卵の受精率向上等への対応として有効であると思われ,育種技術などへの応用も可能であり今後の進展が期待されます。
しかし,凍結保存精子を種苗量産の現場で応用していくには,さらなる受精能力の向上と凍結作業の効率化や,解凍から人工授精に至るまでの作業の簡便化を検討していく必要があると考えています。 |
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